洋平氏と昭恵氏の会食・再考、その意味を最高のものにするために

[この記事のまとめ]

・三宅洋平氏にとって安倍昭恵氏との会食は、「タイミング」、「セッティング」、「事後のコメント」のいずれもが「最悪」のものであり、「大失点」であった。

・けれども、三宅氏には、この「大失点」を取り戻すだけの「力」がある。

・三宅氏の支持者には、この「大失点」の意味をよく理解してほしい。

・現時点で三宅氏に懐疑的な方々には、三宅氏の今後の成長を暖かく見守ってほしい。

  *  *  *

ミュージシャンの三宅洋平氏は、2013参院選では、比例区で17万票を獲得したものの落選、今回7月10日投票の2016参院選東京選挙区では、堂々25万票を獲得したものの、当選ラインの50万票には遠く及びませんでした。

また、三宅氏は、参院選直後7月17日に、沖縄・高江でヘリパッドの建設再開が強行される中、安倍総理大臣の夫人である安倍昭恵氏と会食したことで、ネット上では毀誉褒貶の発言が見られました。

三宅氏は7月21日、沖縄・高江のヘリパッド問題に関する記事を、ご自身のプログで公開し、高江の問題を扱ったドキュメンタリービデオ『標的の村』を紹介しています。

そのコメント欄を見ると、高江の問題を知らなかった方や、『標的の村』の存在は知っていてもまだ見ていなかった方からの、こうした問題をもっと知る必要がある、といった内容の好意的な発言がなされています。

なお、沖縄・高江では、昨日7月22日、現地で座り込みで抗議をする住民の方々や応援で全国から駆けつけている方々が、全国から派遣された大規模な機動隊によって強制排除される事態となりました。

国のやり方に反対し、平和的に抗議活動している人々を、暴力的に排除する国のやり方には、どうにも納得がいきません。

沖縄・高江の問題については、こちらに書きました。
[終わり続けるニッポン、沖縄・高江「戦時下」の現実]

  *  *  *

さて、今回は、「洋平・昭恵会食」の件について、まず、ネット上のぼくの周りの反応を紹介します。

・画家の内海信彦氏は、Facebook でてんつくマン氏のブログを紹介し、「もう十分でしょうね」という言葉で、三宅氏を支持しない意思を表しています。

コメント欄では、「ここまで腐っていたら救おうとするものまでが、溺れてしまいますよ」ともおっしゃっています。

また、多くの方がコメント欄に賛意を表明しています。

・ミュージシャンの佐藤龍一氏は、同じく Facebook で、三宅氏の地震兵器などのに関する非科学的な発言などを理由に、支持できないとおっしゃっています。昭恵氏との会見については特に述べられていません。

・心理職の友人(女性)は、「三宅氏は経歴からいっても、弱者の気持ちができないと思う。昭恵氏との会見がある前から、権力側に転びそうで心配だった」と三宅氏について否定的な意見でした。

・また別の心理職の友人(男性)は、「対立関係にある者同士が話し合ったことは評価できる。高江の問題について総理に意見できなかったことも、今の彼では仕方ない」という見方でした。

・音楽関係の友人(男性)は、昭恵氏が投稿した写真について、そこに写っている若者たちと、投稿されたコメントを見て、その「お気楽さ」を指摘していますが、「会食後に出された三宅氏のコメントは悪くなかった」と言っています。

※三宅氏は、昭恵氏との会食の場で安倍総理と電話で話したことを、「立場は各々ながら、国を思い世界を憂う国士として同じ気持ちだと思っています」と総理に伝えたと、Twitterで発言しています。

  *  *  *

・安倍政権に対して反対の立場にある三宅氏が、総理の夫人である安倍昭恵氏と会食すること自体は、彼が常々、話し合いによる解決を主張していることを考えれば、それを一概に否定することはできないでしょう。

そもそも「政治」というもの自体が、単なる多数決ではなく、十分な話し合いをした上での合意をもとに、物ごとを進めていく手法であるはずです。

ですから、「会食」自体が問題とは思いません。

・けれども、参院選・沖縄選挙区で沖縄県民は、自民党の政策に対してはっきりと反対の意を表明しました。

その沖縄県民の民意を無視して、安倍政権が沖縄・高江におけるオスプレイ・ヘリパッド建設を強行するという状況があります。

そのさなかに、昭恵氏と会食したことは、タイミングがあまりにも悪すぎます。

三宅氏の支持者に少なからぬ分断をもたらしたものと思います。

・また、会食の場が、酒の席で、密室の状況だったことも問題があります。もっとオープンな場での会見とするか、中立的なジャーナリストを入れるなどの配慮が必要だったのではないでしょうか。

・事後のコメントも大きな問題です。

沖縄・高江の問題が「切迫」している状況の中での、あまりに温度差がありすぎる「お気楽」な発言は、沖縄の方々に、怒りや失望の気持ちをもたらしたと思われます。

また、事後のコメントが Twitter 上での細切れのものだったことについては、横須賀市議の藤野英明氏が、次のように発言しています。
洋平くん、断片的な情報しか届けられないツイートだと、不要な誤解を招いたり、アンチが喜んで切り貼りする材料を自ら提供することになると僕は思います。ある程度の文書にまとめてから、ブログ記事にもぜひされてはいかがかと個人的にはオススメいたしますm(_ _)m

・さらに言えば、三宅氏の過去の発言の中には、3.11に関して地震兵器の使用を疑うものや、縄文極右を名乗るなど、「現実と乖離していて空想的だ」と批判されても仕方のないものが散見されます。

  *  *  *

三宅氏は、今後も政治活動を続けていかれるようですから、こうしたご自分の行動や発言が、支持者の間にどういう影響をもたらすかについて、慎重に考える必要があると思います。

その上で、訂正するべきは訂正し、説明の必要なものは十分な説明をすることで、支持者の方々が、安心して支持を表明し、周りの誰にでも推薦できる魅力的な候補者に是非なっていただきたい。

そのためにも、三宅氏を支持している方には、彼の問題点についてはっきりと意見することによって、彼の成長を手助けすることが期待されます。

そして、現在の三宅氏を懐疑的な目で見られている方々には、どうか三宅氏の伸びしろというものに着目し、今後の成長を暖かく見守っていただけたらと思います。

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