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9月, 2016の投稿を表示しています

改憲に王手。ニッポンはホントーに大丈夫なのか?

先の参院選で改憲派が三分の二議席を確保し、いよいよ日本の行く末には暗雲が垂れ込めているように思われます。 もんじゅは廃炉に向かう模様ですが、新型の「高速炉」という愚にもつかない選択肢で利権を温存しようとする勢力につける薬はありません。 沖縄・高江のヘリパッド建設現場では、民主主義とは程遠い手続きで、今日も貴重な自然が破壊され、反対運動をする市民に対して人権を無視した「弾圧」が続きます。 ニッポンという国は、ホントーに大丈夫なのでしょうか? そして、ぼくたち国民の一人ひとりは、こうした状況下で何ができるのでしょうか?   *  *  * うちの親父は建設会社に勤めて、公団関係の仕事をしていたので、役人や政治家の悪口をよく言ってました。 また、かつての東京オリンピックのころに生まれたぼくは、学生運動の時代は知りません。 若いころはSFをよく読みましたが、SF関係の人の文章に、学生運動の時代にSFなど読んでいると、運動の人たちがやってきて、お前らこの時代にSFなんぞにうつつを抜かしていていいと思っているのか、とアジられる、というようなことが書いてあったのを思い出します。 ぼくはと言えば、そんな時代に生きていたらアジられる側に回っただろう、まったくのノンポリで政治音痴の若者でしたが、チェルノブイリの事故をきっかけに、この社会の仕組みに目がいくようになりました。 SF小説を読んで、仲間とあーだこーだ言ってるだけの頭でっかちの人間だったぼくが、チェルノブイリをきっかけに、原発反対の運動に足を突っ込んだり、「障がい」者のための施設で働いたりする中で、この世の中にどんな問題があって、自分には何ができるのかというようなことを、自分なりに肌で感じながら考えることができたのは、人生にとって大切な財産になっていると思います。   *  *  * ぼくにとっての、そうした転換期は、二十代の末に訪れましたが、仲間と出していた同人誌に、そんな社会的な思いを綴ったところ、それを読んだ知り合いの女の子から手紙をもらい、 堀田善衛の「広場の孤独」をすすめられました。朝鮮戦争を題材に、ある新聞記者の政治に対する「コミットメント」を書いた物語です。 はじめて読む堀田善衛は新鮮で、実際に戦争を経験した日本人が、戦争という政治的事態とどう関わるかを思い悩む、

豊洲の影には何がある? 改憲と原発の再稼働について

みなさん、こんにちわ。 ぷちウェブ作家のとし兵衛です。 メディアは築地市場の豊洲移転問題でにぎわってますね。 いろいろと怪しい話が出てくるなか、石原慎太郎元都知事は「だまされた」などと無責任なことを言ってますし、問題を指摘する立場の小池百合子都知事は株を上げているようですが、さて、いかがなものでしょうか。 いきなりですが、この記事のテーマは、「全体主義的格差社会の到来と祈りの効用」です。 賢明な読者のみなさんはご承知の通り、小池氏は「全体主義的格差社会」を進める急先鋒的人物です。 石原氏もお仲間です。 豊洲移転問題は、保守派の内部の利権争いにすぎないんじゃないでしょうか。 そんな内輪もめのごたごたで、わいわいやっているうちに、なにやらいろいろまずいことが進んでいるんじゃないでしょうか。   *  *  * ひとつは改憲の問題です。 先の参院選で改憲派は三分の二議席を確保しました。 具体的な改憲に王手がかかった状態です。 改憲の動きをこのあとどのように進めてくるかはまだ分かりませんが、緊急事態条項を盛り込んだ改憲が成立すれば、日本の全体主義国家化はほぼ完成です。 この状況の中、参院議員の山本太郎氏は、三宅洋平氏と組んで「憲法フェス」を行なっています。 改憲の問題点を周知することが重要という考えでしょう。 沖縄・高江のヘリパッド建設反対運動に対する「弾圧」を見れば、現行憲法のもとで、すでに日本の主権在民という基盤はぼろぼろと言っていい状態なのは明らかです。 この上、改憲がなされれば、いったいどんな状態がやってくるというのでしょうか。   *  *  * もうひとつは原発の再稼働の問題です。 福島第一の事故処理が遅々として進まない状況を見れば、原発の即時停止が明らかに合理的と思われます。 にもかかわらず、第二次大戦で戦局が悪化しても停戦に向けて舵を取ることができなかった大日本帝国の時代と同様、作ってしまったのだから止めているわけにはいかないとばかりに、原発の再稼働が進められています。 川内原発は知事の申し入れにも関わらず、九州電力は定期点検まで停止しないという強硬な態度ですし、新潟では原発の再稼働反対で影響力を発揮していた泉田裕彦・現知事が次期の知事選への出馬を直前で取りやめるという「異常

本の紹介:「呪術師カスタネダ」

「呪術師カスタネダ」リチャード・デ・ミル、マーティン・マクマホン; 高岡よし子、藤沼瑞江訳; 大陸書房1983 アメリカの人類学者カルロス・カスタネダはご存知でしょうか。 メキシコでドン・ファンという呪術師に弟子入りした経験を書いた著作で有名な人物です。 このドン・ファンシリーズでは、アメリカ大陸に呪術師の思考体系というものが、欧米の近代的合理主義に匹敵する精緻な体系として、カスタネダの実践を通して物語として語られるところが、実におもしろいところです。 さて、カスタネダに関心のある人には、ぜひこの「呪術師カスタネダ」という本の第二部を読んでほしいと思います。 だいぶ前からこの本のことは知っていましたが、大陸書房というどちらかというとオカルトな出版社から出ているので、ちょっと 怪しさ を感じ、手をつけずじまいでいました。 それが、カスタネダと親交のある フロリンダ・ドナーの「魔女の夢」 を先日読んでみたところなかなか面白かったので、こちらも読んでみることにしたのです。 すると、まったく怪しいところなどない、とても面白い本でした。 アメリカでは別々に出版されている二冊の本をまとめたもので、第一部「呪術師ドン・フアンの世界」は、カスタネダの最初の三冊の著作を手際よくまとめて紹介したもので、それが人類学専攻の学生向きの参考書だというのもおもしろいですね。 この部分は、カスタネダをまだ読んだことのないひとが試しに読んでみるのにもいいと思うし、カスタネダを読み込みたい人にも便利に使えるでしょう。 そして、この本の真骨頂は第二部「カルロス・カスタネダの旅」にあります。 カスタネダの著作はとかく、ノンフィクションなのかフィクションなのか、という視点から論じらたりしますが、著者のデ・ミルは綿密な資料に基づき「カスタネダの著作は事実に基づくフィクションである」と断定します。 けれど彼は、一部の学者の先生方のように、「だからカスタネダの著作はでっち上げのうそっぱちで、これっぽっちも価値がない」というのではありません。 膨大な資料に基づいて、自身の経験も交えて紡ぎ出されたカスタネダの著作を、 C・S・ルイス にも比べられる力を持った小説として評価するのです。 カスタネダへの愛情に満ちた、だかちこそ辛口の批評満載の、評伝かつ評論であ

三宅洋平は応援するに値する人物なのか

ミュージシャンの三宅洋平氏は、テレビに出るような有名人ではありません。 彼は、過去二度の参院選に立候補し、音楽を有効に使った「選挙フェス」という手法で、2013年の比例区では18万票、2016年の東京区では25万票を得票しました。 残念ながらどちらも当選には至りませんでしたが、「反戦・反基地・反原発」の明確な姿勢は評価に値するものと考えます。 一方、三宅氏は、ネット上で「陰謀論者」で「レイシスト」だと非難され、その上「安倍昭恵氏とつるんで、安倍政権に加担している」といった酷評も見受けられます。 果たして三宅洋平氏は、応援し、支持するに値する人物なのでしょうか。   *  *  * 結論から言うと、彼は応援するに値する人物だと思います。 というのは「反戦・反基地・反原発」の明確な姿勢があれば、安倍政権に物申すには十分だからです。 安倍政権の進める日本の「戦争国家化・全体主義国家化」と「原発再稼働」の流れは実に強力です。 残念ながら民進党は、政策のかなりの部分が自民党と重なってしまっており、十分な反対勢力とは言えません。 その他の反対勢力も、十分に国民の気持ちをつかむことができないまま、日本の戦後民主主義はずるずると後退し続けてきたのではないでしょうか。 この状勢において、新しい流れを生み出すことができれば、安倍政権の政策に待ったをかけられる可能性もありえます。 そのとき、「反戦・反基地・反原発」の明確な姿勢に加えて、三宅洋平氏の持つカリスマには大きな希望が持てると思うのです、   *  *  * 現在、国会では、山本太郎氏がよい活動をしてらっしゃいます。 しかし、一人でできることには限りがあります。 そこにもし、三宅洋平氏が続くことができれば、はじめは小さな流れであっても、それがやがて大きなうねりへとつながっていく。そういうことが期待できると思うのです。 最初は点にしかすぎなくても、点の数が増え、点と点がつながって線になり、線と線がつながって面になる。そうした長い目で見るビジョンを持たない限り、世界が変わることは期待できないでしょう。 今、その出発点として、ぼくは三宅洋平氏を応援するのです。 そして、この文章を読んで共感してもらえたら、ぜひあなたにも応援してもらいたいと思うのです。   * 

沖縄高江ヘリパッド建設反対に関わる情報をいくつか

「チョイさんの沖縄日記」(2016年08月23日)より。 沖縄県公安委員会は、今回の援助要求にあたって委員会で協議はしていない。「持ちまわりで決定したので会議録はない」沖縄県公安委員会の要請の前に、警察庁が各地の警察本部に指示を出している。派遣費用も「国庫支弁」 沖縄高江への各地からの機動隊の派遣、変則的なことになっているようです。民主的な手続きにのっとった上で、きっちりとした国民への説明が望まれます。   *  *  * 琉球新報(2016年9月6日15:42)の記事より。 東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に伴う市民らの抗議行動で6日午前、東村高江の新川ダム近くの県道70号上で工事関係車両の動きを封じるために徐行運転していた女性が警察に身柄を拘束された。 徐行運転していただけなのに「地面に押さえ付け手錠をかけて拘束」って、警察にそんなことをする権限があるのでしょうかね。   *  *  * 沖縄タイムスの記事「高江の農家、ヘリパッド抗議に苦情 県道混乱で生活にも支障」(2016年9月8日)より。 県道70号では8月から、市民が「牛歩作戦」として、工事車両の前を時速10キロ未満の速度で走る抗議行動を展開。機動隊の交通規制もあって県道は渋滞し、出荷や作付けする農家を中心に地元住民の往来に支障が出ていた。(中略)当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある。 「ヘリパッド反対運動」によって高江の住民の生活に支障があるとしたら問題です。規制をしている機動隊の側には問題はないのか、「反対運動」側と高江住民との意思の疎通はできているのか、ちょっと心配なところです。   *  *  * 人力車夫でラッパーの大袈裟太郎氏の言葉、安倍昭恵氏の沖縄高江訪問について。高江の報告・まとめより。 現地の住民たちの考えは、意外なほどネットに反映されていないものだ。   昭恵氏訪問を良しとする者もいれば、悪しとする者もいる。ただ、そんなのことに拘泥してられないほど、日々の抗議や排除の波は慌ただしいのが現実のところだ。   結局、ネットで叩いているのは、高江のほうも住民のほうも向いていない人々ではないか?   政治活動を笠に着て、誰かに八つ当たりをしてストレス解消したい人々が多いんではないか?  

政治なんてアホらしいですか? ライフネット生命の出口治明氏はこう言ってます

ライフネット生命のCEO、出口治明氏はご存知ですか。 ネット上で、Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグやWikipediaの創設者ジミー・ウェールズ、お笑い芸人スギちゃんなどのポーズを真似したコンテンツでお馴染みかもしれません。 出口氏がなぜそうした若者に受ける大胆な広報活動ができるのか、彼の柔軟さの秘密がこちらのインタビューを読むとよく分かります。 20代の社員に「アホは出口さんです」と言われました インターネットのコミュニケーション 出口治明編 20代の社員にアホ呼ばわりされても、それを鷹揚に受け止め、既成観念に捕らわれることなく、若者の感性を信頼して仕事を任す。 もしそれが失敗しても、そのときはそのときで考えればいいと腹をくくる。 経営者としてはそういう責任の取り方もあるわけですよね。 その出口氏が、次の記事では、誰にでも分かる簡単な投票の仕方を教えてくれています。 「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(ポリタス 2016年7月3日) こちらのインタビューに肝心の部分がよくまとまっていますので、ちょっと引用しましょう。 出口治明さん「日本はお金の教育をしていない」 ライフネット生命会長に聞く教養とは(ハフポスト日本版 2016年01月27日) ヨーロッパの人と話をすると、選挙は学校で次のように教えられるのです。メディアが事前に選挙結果を予想しますが、その予想通りで良かったら三つ方法があります。投票に行ってその通り書く、白票を出す、棄権をする。すべて同じ結果になります。もしメディアの予想に反対なら、方法は一つしかない。行って違う人の名前を書く。これが選挙ですよと教えるのです。 日本ではこういう当たり前のことが教えられていないから、「ろくな候補者がいなかったら堂々と棄権しなさい」などと変なことを言う評論家がいたりするのです。ヨーロッパでは中学生以下のリテラシーです。 つまり、「社会の現状に納得していないなら、投票に行ったほうがいいですよ、そうでなければ、現状に降参することにしかなりませんよ」ということです。 今、日本の20代の投票率は30%台と、全体の平均の50%台とくらべても、非常に低くなっています。 これは若者自身の責任というよりは、社会の側の責任というべき事態でしょう。 18歳になれば